2026.03.11
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カテゴリ:耳
お子さんが呼びかけに反応しない、テレビの音量を大きくしたがる……。もしかすると、それは「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」のサインかもしれません。痛みがほとんどないため見逃されやすく、気づかないうちに聞こえに影響を与えている可能性があります。
滲出性中耳炎とは?
滲出性中耳炎は、鼓膜の奥の中耳に液体(滲出液)がたまる病気です。急性中耳炎のように強い痛みや発熱はなく、静かに進行するのが特徴です。3〜6歳のお子さんに特に多く、就学前の子どもの約90%が一度は経験するとも言われています。
原因としては、急性中耳炎の後に液体が残ってしまうケース、アデノイド(のどの奥のリンパ組織)が大きくて耳管の通りが悪くなるケースなどがあります。
見逃さないためのチェックリスト
お子さんに以下のような様子が見られたら、滲出性中耳炎の可能性があります。
- 呼びかけても反応しない、聞き返しが多い
- テレビの音量をいつもより大きくする
- 話しかけると「え?」と聞き返す
- ぼーっとしていることが多い
- 言葉の発達が遅いように感じる
- 集団生活で先生の指示に従えていない
- よく耳を触る、耳を気にする様子がある
- 最近、急性中耳炎にかかった
放置するとどうなる?
滲出性中耳炎は自然に治ることもありますが、長期間放置すると以下のような問題が起きる可能性があります。
- 言葉の発達の遅れ(聞こえにくいため言葉を覚えにくい)
- 学習への影響(先生の話が聞き取れない)
- 鼓膜の変形や癒着
- 慢性中耳炎への移行
治療の流れ
まずは耳鼻咽喉科で聴力検査と鼓膜の検査を行います。軽症の場合は、鼻の治療(鼻水の吸引やネブライザー)をしながら経過観察をします。
3カ月以上改善しない場合や、聴力低下が大きい場合は、鼓膜に小さなチューブを入れる手術(チューブ留置術)を行うことがあります。これにより中耳の換気が改善され、液体がたまりにくくなります。チューブは通常6カ月〜1年程度で自然に抜け落ちます。
お子さんの聞こえが気になったら、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。痛みがないからと放置せず、日頃からお子さんの様子をよく観察することが大切です。
📌 この記事のポイント
- ✓滲出性中耳炎は痛みがなく、聞こえの変化で気づくことが多い
- ✓呼びかけへの反応やテレビの音量に注意して観察する
- ✓放置すると言葉の発達や学習に影響する可能性がある
- ✓改善しない場合はチューブ留置術で治療できる